<連載> 読者会議メンバーインタビュー
【Reライフ白書】定年後の自分らしい働き方は 読者会議メンバーの体験談から
Reライフ読者会議「定年や60代以降の働き方」のアンケートから<第4回>
定年や退職を迎える時期や60代になって、これからの働き方を考えている方も多いのではないでしょうか。
今回は朝日新聞Reライフプロジェクトが昨年実施した「定年や60代以降の働き方」アンケート(回答2,155人)に回答いただいた読者会議メンバーのなかから、リアルな体験談を紹介します。
これからの過ごし方を考えている方も、一歩を踏み出すためのヒントが見つかるかもしれません。
アンケート結果を紹介するこれまでのReライフ白書
◇【Reライフ白書】第1回:定年後も「働き続けたい」約6割 「やめたい」3割を上回る
◇【Reライフ白書】第2回:「65歳以降も働きたい」7割超 働く理由は65歳から変化
◇【Reライフ白書】第3回:「無定年意欲」はあっても仕事がない? 50代から始める「無定年準備」
公務員から飲食業へ 66歳で夢だったカフェを開店
埼玉県川口市在住 横田和子(わこ)さん(67歳)
カフェ「らうね」では無添加のおにぎりを販売しています(本人提供)
以前から趣味でパンやケーキを作っていたため、いつかカフェを経営したいと考えていました。約20年勤めていた川口市職員の仕事を2024年3月、65歳で退職しました。定年はなかったものの、元気で過ごせる時間を逆算し、「やらないで後悔したくない」と家族にも宣言。娘の応援もあり、退職して約1年間の準備期間を経て、2025年6月に12席のカフェ「らうね」(埼玉県川口市元郷1丁目)を開業しました。
物件探しに時間がかかりましたが、自宅近くにあった物件を娘がインターネットで探してくれて、見に行ってすぐ決めました。開店準備をしていたら、ちょうど市役所に配達していたお弁当屋さんがなくなるということになり、無添加のおにぎりとサンドイッチをメニューにして、配達もしています。資格を持っていた親友に食品衛生責任者になってもらいました。家族や友人の後押しがあって、夢を実現できました。公務員と飲食業、全く違う環境のもと日々勉強ですが、充実感は言葉で表しきれないほどです。
私の周りには、80歳を過ぎてもお店を経営している人が多いので、それに触発されて開業しました。皆さんからいつも「年をとっても社会とつながっていなきゃだめだよ」と励ましていただいています。朝日新聞の記事にあった「やりたいことがあったら、そのときにやっておいた方がいい」という言葉にも背中を押されました。働けるうちは期限を設けず、働き続けたいと思っています。
再雇用ではなく独立して業務委託を選択 新しいテクノロジーにもワクワク
千葉県白井市在住 山口一郎さん(66歳)
趣味の街道歩きで訪れた京都・伏見の寺田屋にて(本人提供)
大学を卒業後、いくつかの外資系IT企業に勤めていました。53歳で転職した会社も57歳で役職定年になりました。60歳の定年後の再雇用では同じ仕事で給与が半分になると言われ、モチベーションを保てないと考えて、個人事業主として独立しました。勤めていた会社とは顧問として業務委託契約をして、仕事を続けています。
仕事では現場にいる中堅の社員と一緒に仕事をすることが多いですが、勤めていた会社のこともお客さん(クライアント)として見られるので、年下の上司や若い人と働くのも苦になりません。ほかにも以前の仕事のつながりで、イギリスや韓国の会社の仕事を請け負い、定年前の50%くらいの仕事量を続けています。
仕事は楽しい。最近は生成AIなどテクノロジーの勉強もする必要がありますが、仕事をしながら新たなテクノロジーを見られることもワクワクしています。時間は自由なので、休日には趣味の街道歩きも楽しんでいます。
何歳まで働くかは決めていませんが、自分の体力や知力が仕事に対応できるのは、だいたい70歳くらいまででしょうか。健康寿命を考えながら、自分が好きなことをして過ごしていきたい。そして70代、80代は地元が住み良い街になるように活動できればと考えています。
週2回勤務で同級生たちと趣味や旅行も楽しむ
栃木県宇都宮市在住 飯村節子さん(69歳)
今年の春に旅行に行った台湾・淡水にて(本人提供)
県立高校で教諭として定年まで勤めました。60歳定年後の3年間は再任用でフルタイムの勤務でしたが、64歳からは通信制の県立高校で週2回、非常勤講師として働いています。趣味も楽しみたいので、週2回くらい働くのがちょうどよいです。
勤務日以外は、前から継続していたエアロビクス、フラメンコ、昔習っていたピアノ、最近始めたフランス語の勉強など予定が詰まっています。旅行は若いころからの趣味だったので、今も月1回は出かけています。全都道府県を制覇しました。中学校の同級生たちとは「大人の修学旅行」と称して、友人が住んでいる鎌倉に行ったり、日光に行ったり。元同僚との会や、恩師を囲んだ学年クラス会は毎年、開催しています。LINEでは、元同僚や同級生とつながっています。充実した日々を過ごせているかなと思っています。
いまの仕事は、健康ならば継続したいです。もともとのんびりするタイプではないので、働いている方が生活のバランスも保てます。看護師の資格もあるので、最近は生涯現役でもいいかなと思っています。自由にさせてくれる家族には、日々感謝しています。
©GettyImages
65歳までは再雇用 70歳からは生まれ育った故郷の地域貢献を
愛知県豊橋市在住 M.Oさん(69歳、男性)
自動車部品会社でエンジニアとして働き、60歳の定年後は65歳まで再雇用で合計43年間、同じ会社に勤めました。退職後は会社の先輩が再就職して働いている会社の後任に誘われて、契約社員のエンジニアとして働いています。この仕事もあとわずかなので、70歳からはボランティアで、自分が生まれ育った地元の地域貢献に取り組みたいと考えています。
地元には友人たちがいて、神社の氏子総代や町内会の役員の話も頼まれています。生まれ育ったところにずっと住み続けてきましたが、これまで会社人間で、地元のことはずっと他の人に任せてきました。父や先輩が祖父の代からやってきたことを続けるには、町内の高齢化も進んでいてやる人がいない。自分にも順番が回ってきました。
体力や記憶力は衰えているのを感じるので、責任を伴うお金をもらってやる仕事はそろそろリタイアしますが、期待されるところでもう少し働きたいと考えています。
43年間のデスクワークから「マンション管理員」の新鮮な世界へ
千葉県船橋市在住 M.Kさん(69歳、男性)
IT企業でシステムの設計開発・保守、及び運用を担っていました。60歳の定年後、66歳まで雇用延長をしました。雇用延長に関しては、身に付けた技術をそのまま役立てられ、給与も以前より下がるとはいえある程度もらえるので、何のためらいもありませんでした。43年勤めた会社を契約満了で退職した後は、半年ほどのんびりと過ごしていました。
しかし、次第に手持ち無沙汰になり、小遣い稼ぎをしようかなとハローワークを訪問。そこで紹介されたのが、現在のマンション管理員の仕事でした。今はパートとして週3日、働いています。長年のデスクワーク中心の生活から一転、マンション管理員の仕事は6〜7割が外での作業。清掃や点検、業者の立ち合いなど、体を動かすことが多く大変な面もありますが、それ以上に新鮮さを感じています。日々の居住者の方々との何気ない会話も、これまでにない新鮮さで、この歳になって、いい経験をさせてもらっているなと感じています。
(Reライフプロジェクト・樋口彩子)
©GettyImages
定年や60代以降の働き方について、第2弾アンケートを実施しています。60代以降の働き方について、あなたは誰に相談しますか?どんなことを知りたいですか?ご自身の成功体験、失敗談などがあれば教えて下さい。いただいた回答を、今後のコンテンツや情報提供に生かしていきます。
回答いただいた方の中から、抽選で5名様にクオカード(1,000円分)をプレゼントします。締め切りは2026年6月29日(月)です。
◇
Reライフプロジェクトでは、Reライフ読者の皆さんへのさまざまなアンケートを行い、関心や興味などを掘り下げていきます。その内容を「Reライフ白書」と題して本サイト「Reライフ.net」などで発信していきます。ぜひご参加いただき、結果に関する記事をお楽しみください。
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